国際研修「文化遺産と危機管理」国際研修プログラム
ウェビナーシリーズ
文化遺産防災における人材育成：ポストコロナの挑戦と創生
立命館大学ユネスコ・チェア「文化遺産と危機管理」国際研修（ITC）は、今年度、世界的な新型コロナウィルス感染拡大により中止となりましたが、その代替プロジェクトの第一歩として、ウェビナーシリーズ「文化遺産防災における人材育成：ポストコロナの挑戦と創生」（Webinar Series： Capacity Building for Disaster Risk Management of Cultural Heritage: Challenges and Opportunities in Post-COVID Times）を、文化財保存修復研究国際センター（ICCROM）と共同で開催いたしました。2020年6月27日（土）には、ウェビナー１：「ポストコロナにおける減災と予防の再考」（Webinar 1: Rethinking disaster mitigation and preparedness）を実施し、7月4日（土）には、ウェビナー2：「ポストコロナにおける災害対応と復興の再考」（Webinar 2: Rethinking disaster response and recovery)を行いました。
ウェビナー１および2では、ITCの講師、過年度の研修生、2020年度ITCの応募者を含む約100名が、ズームビデオコミュニケーションアプリケーション（ZOOM）から参加されました。ITCの主要な講師である世界各国の文化遺産防災分野の専門家をパネリストとしてお招きいたしました。ウェビナー１では、災害前の予防減災対策をテーマとし、新型コロナ禍ならびにポストコロナを鑑みた複合的災害の再定義、コミュニティ主導型のDisaster Risk Management（DRM）ワークショップでのデジタル活用、気候変動とDRMの関係性、そして、文化遺産の保全と防災における国際機関の役割について、パネリストにより発表していただきました。ウェビナー2では、災害後の応急対応と復旧・復興をテーマとし、新型コロナ禍における文化遺産に対する対応、文化財を活用したレジリエントな復興、新型コロナ禍の教訓に基づくPost Disaster Needs Assessment（PDNA）の新手法、新型コロナ禍の災害危機管理の実践事例について、発表していただきました。また、各ウェビナーの後半部では、それぞれのパネリストが視聴者から質問に回答する形式で、活発な議論が行われました。これらのウェビナーシリーズを通じて、新型コロナ禍ならびにポストコロナにおける文化遺産防災での世界各国特有の取組みを踏まえつつ、公衆衛生や経済・財政の観点からの取組み、デジタル技術を活かした文化遺産の保全・マネジメントの必要性など、これまでとは異なる新たなアプローチについて理解を深めました。
今回実施したウェビナーについては、今年度中に当研究所ウェブサイト上にて動画配信を開始いたします。また、後半の質疑応答およびディスカッションの部分を含めた形で、プロシーディングス（Proceedings）を成果報告として発刊する予定です。
立命館大学ユネスコ・チェア「文化遺産と危機管理」国際研修（ITC）は、これまで実施した研修実績をもとに、立命館大学内外の研究者、国際連合教育科学文化機関（UNESCO）、文化財保存修復研究国際センター、国際記念物遺跡会議防災国際学術委員会（ICOMOS/ICORP）、国際博物館会議防災危機管理委員会（ICOM）の国際機関、文化庁をはじめとする行政、そして現場の専門家など多彩な講師陣、また、世界各国からの研修者の積極的な参加により高い評価を得ています。本年度は、本国際研修の代替プロジェクトを複数実施していく予定で、今後も、当研究所の研究成果に基づいた国際社会に向けた成果発信や貢献活動を継続してまいります。
写真
 ウェビナー１ チュムチナ先生と リー先生のプレゼンテーション |
 ウェビナー１ 大窪先生のプレゼンテーション |
 ウェビナー１ 里深先生のプレゼンテーション |
 ウェビナー１ パネリストと司会者 |
 ウェビナー1 キング先生のプレゼンテーション |
 ウェビナー2 タンドン先生のプレゼンテーション |
 ウェビナー2 チーク先生のプレゼンテーション |
 ウェビナー2 セルター先生のプレゼンテーション |
 ウェビナー2 アン先生のプレゼンテーション |
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